「エネルギーのバランス・循環」
様々な能力性を多大に発揮する方々や、スポーツなどをされている方々のエネルギー性は、言うまでもなく非常に高く有ります。
常にエネルギッシュに活動されている方々は、傍から見ていると、一言で表現すればストレスに強く、“元気一杯”であるように感じられるかも知れません。
…また、ややもすると、それらの方々の心の内においても、“そうでなくてはならない”思いもあるかも知れません…。
「自己実現者と心的外傷(トラウマ)」
けれども、各業界のトップクラスで活躍される方々に、無意識層の自我が直接表れる心理検査を行ってみると、大変驚くほどの心的外傷(トラウマ)のサインが、通常以上に数多く随所に表現されることに気付かされることが多々あります。
また一方で、その心的外傷(トラウマ)の多さや大きさに対する、エネルギー全体のバランスの良さが特徴として見られるので、そのような“パーソナリティ傾向の何か”を、持っていることも感じます。
社会的に突出した能力を発揮する方々の検査結果において、心的外傷がたくさん現れるのを見ると、「よく、ここまでの傷を持ちながら悲鳴もあげずに、バランスを保って精神を統制していられるな…」と、感心させられ、やはり、傷やコンプレックスを背負いながらも、バランスを回復・統制する力を多大に有していることが窺われるのです。
並ならぬエネルギーを発揮する日々を送られる方々は、普通なら痛みを抜け出すために時間がかかるような多大な傷であっても、社会的能力の高さから、“心の傷”でつまずかずに、個々の持ち前の特性と、エネルギーの偏りを統制(コントロール)する力を携えているのでしょう。
また、精神エネルギーを上手く発揮できず悩まれる方、或いは神経症及び精神疾患に苛まれている方の中には、その症状の出方に反して、検査を行っても、心的外傷(トラウマ)のサイン(傷の患部)がなかなか露呈されないことがあり、徐々に治療が順調に進むことを示すかのように心的外傷(トラウマ)の患部を現してくることがあります。
そのことと、多大なエネルギー性を発揮する方々とを比較すると、エネルギー性を発揮し、他者から注目されることに耐え得る力を有する方においては、自己を表出することに対する抵抗が少なく、ありのままの自分を出すことができる力、
も有していると言えるかも知れません。
「プライドと防衛」
もう一方にあることは、社会的意識が高い分、時に、意識上における“過剰な防衛”が高まりやすいことも、付言できるかも知れません…。
社会的能力を大きく発揮されている方々における、非常に強い“防衛”や、他人の介入を心底では許さない“抵抗”が(これは精神病理の側面で言うところの、“治療抵抗”と同様の種類の性質とも似たように思われますが)感じ取れることがあります。
心理カウンセリングにおいて、それらの方々のプライドを尊重すれば、言語を用いた方法では、ややもすると、ますます防衛を強めて抵抗に陥ったり、或いは本人が、プライドと共に元気を落としてしまったりする恐れや、傷に傷を重ねてしまう形になりやすい場合も考えられます。
こころにおいて、“問題点”を、“言語で”受け容れるのは決して容易ではなく、また仮に言語的な面から悟ったとしても、それをそのまま、精神エネルギー全体の統制にまで、持っていくのはなかなか容易ではないのではないでしょうか。
精神エネルギーは、常に人間の全体をかけめぐり、循環しています。
人体のある一定の臓器を集中的に使うと、血液循環に偏りが生じるのと同様に、精神エネルギーにおいても、外側からの視線や期待を受けること、また、身体的な側面においては、筋肉に極度のエネルギーを使用するなどで、こころの側面に使用するエネルギーが低下し、こころの表層部を守ろうとするために“心的防衛”が並より高まる、という図式が考えられます。
またそれは、自らの壁を越えることにおいて、エネルギーバランスに偏りが生じ、せっかくの精神エネルギーの高さが、マイナスの方向へ作用する(病理へ向かう方向)こともあるでしょう。
「人間の“意識”の壁」
人間で有る以上、個々の越えるべき壁はその都度必ず存在します。
けれども、“こころ”そして自我全体の構造において、“意識できる自分”の部分は、こころ全体のうち、氷山の一角に過ぎず、残りの殆どは意識上に上がらない“無意識”のエネルギーで構成されています。
つまり、能力の発揮において安定した状態を獲得することは、エネルギーの流れをマイナスへ向けてしまう恐れがある、無意識の領域からメッセージを出す心的外傷(トラウマ)を緩和・除去し、安定した柔軟な思考とパーソナリティ傾向を携えていることが、有効になることが言えるかと思われます。
「創造・超越と、心理カウンセリング」
心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、心的外傷(トラウマ)の治療は、心理療法の中でも困難なものとされてきましたが、TFT(Callahan,1990)、FAP療法(大嶋,1999)、EMDR(Shapiro,2002)などの“Power Therapy”により、迅速で劇的な効果をもたらされるようになりました。
これらのものは、直接、言語によって無理に聞き出すことをせずとも治療が可能であり、それらのPower Therapyの出現は、ある意味で、不可能であったはずの“心の外科治療”を可能たらしめるものとも言えるでしょう。
また、Ver.U(薄井,2005)は、心的外傷(トラウマ)のイメージ療法及び、エネルギー循環の読み取りと調整を行うものであり、精神エネルギーバランス統制や、能力の増幅において有効に思われます。
言語によるカウンセリングは、“言葉”の共感による治療、TATやFAP療法などのいわゆる“Power Therapy”は、“波動”の共感による治療、Ver.Uは、“波動”及び“精神エネルギー”の共感による治療、という感じでそれぞれ共感という治療の役割を果たしているといえるでしょう。
「エネルギー共感のすすめ」
自分には関係ない!
…そう思う人も、もしも“不自然な自分”を少しでも感じたら、もしかすると、意識においては自覚のない心的外傷(トラウマ)が災いしていることもあるかも知れません。
ホメオスタシス(欠乏欲求を埋めて、常に現状維持)という概念のみならず、トランジスタシス(自己実現欲求や統一欲求など、常に現状を乗り越えようとする)の側面を焦点に当て、“その人”として充分に機能することを目指し、さらなる自分の壁を越えるきっかけとして、エナジー調整をおすすめ致します。。。
ライオンが“ライオン”として、象が“象”として、精一杯生き抜くように、全身全霊“自分”であると、常に精一杯感じていられるために、お手伝いができればと考えております。